長時間労働の改善で自殺はなくなるのか?

組織

昨年の電通の女子社員の自殺問題から、ようやく国も重腰をあげて動き始めました。
何年もブラック労働で苦しめられている労働者にとっては遅すぎる対応とも言えると思います。

マスコミも芸能人相手には、不倫だの浮気だのなんだので強気にでますけど、相手が大手企業になると手ぬるくなりますしね。

2017年度一発目は入社一年目の男性社員に違法な長時間労働をさせたとして三菱電機に捜査が入るようです。

<三菱電機>入社1年目社員に違法な長時間残業 書類送検

 

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長時間労働とパワハラ

自分の体験上、「ただ長い時間働く」というだけでは人間はなかなか死なないと思います。
睡眠不足や肉体の酷使で気づいたら死んでいたというのは難しいかと。

 

(でも、肉体労働って仕事によっては相当過酷なものも多いので、そういった中で72時間くらい不眠不休で労働をさせられたら体力の無い方は死の危険があるかもしれません。)

 

死につながるものとして、絶対に上司のパワハラが存在すると思います。

 

メディアでは「長時間労働」ばかり注目し、取り上げていますが、その背後にある上司や同僚による「パワハラ」や「イジメ」の実態をきちんと調べ報道した方がいいと思います

 

実際、電通の女性社員のツイッターにも上司のパワハラに関する投稿もあったようです。

長時間労働の改善だけで自殺はなくなるのか?

労働時間が短くなれば、パワハラ上司と一緒にいる時間が少なくなる訳ですから。上司から受けるパワハラの回数は実質、減ると思います。

 

しかし、仮に8時間労働で夕方の同じ時刻に帰れるようになったとしても上司はパワハラをやめるわけではないので、パワハラはなくなりません。

 

それよりも、「苛める時間が短くなったから、もっと密に徹底していじめてやろう」とさえ思うかもしれません。

 

社会での「大人のイジメ」は学校での「子供のイジメ」よりも、陰湿で激しいです。

定時に帰れる学校教育(拘束時間が会社より短い)でイジメによる自殺が無くならないのに、労働時間を短くしたところで抜本的な改善はされないと思います。

 

エスカレートしていく上司の嫌がらせ

 

僕が新卒で入った会社と転職先で実際に上司にされたり、言われたりした事を書いてみます。

  • 毎日挨拶を返してくれない。
  • 「オマエ」「ソイツ」「アイツ」「テメェ」など名前で呼ばない。
  • 基本的に目もあわせてくれない。
  • 質問しても、「ん」とか「お」しか言わない。
  • 質問しても仕事は何も教えてくれない⇒当然できないので怒られる。
  • 「才能がない」、「向いていない」、「こんな出来ない奴はいなかった」、「人間がおかしい」など人格否定の言葉を連発される。
  • 半日ずっと怒られる(同じ事を繰り返し延々と)
  • 「生意気なんだよおめぇ。」(別に生意気な発言態度などしていないのに)
  • 「あっちいけよ」(取引先との親睦会で)
  • 書類を投げつけられる。
  • 物を投げつけられる。
  • 「まじこいつ、つかぇねぇ。なんで採用したんだよ。」と言われる。
  • 社内でラジオの音がうるさいっていって頭をパーンと殴られる

 

今軽く思い出せるのでもこんな感じ。

 

まぁ、「こんなんたいしたことねぇよ。俺なんかもっとひどい事されたぜ!」という人もいるかもだけど、上記だけでも社会人としてどうかと思うんですよね。

 

よく「3年は堪えろ」といいますが、それは「最低限のモラルがある会社風土」である場合に限ると思います。

 

子供のイジメをみてても分かるように、大人のイジメも日増しにエスカレートしていきます。
そうなったときに「会社を辞める」以外の選択肢はないと思います。

 

そういう状況でなんの手段も方法も教えないで「堪えろ」という人は、大抵「パワハラ」を経験していない人です。本当に体験している人は、そういった時にどうするかをきちんと教えてくれます。

 

ですから、何も考えずに「堪えろ、乗り越えろ」というだけの人の意見は聞かないでください。

 

こんなんパワハラじゃない!甘えてんなっていう人達

「仕事だからしかたない。甘えてんな。」みたいに言う人ってかなり多くの割合でいるんですよね。

 

確かに仕事は大変です。仕事は人の不満や不便を解消するためのものです。その対価としてお金をもらうんですから、大変じゃないわけない。

 

ただ人としての基本的な姿勢や他人の尊厳を考えるべきだと思います。

 

だって上記の様なこと、自分の子供にしますか?言いますか?

他人の子供ならしていいんですか?

自分の子供が他人にされていたらどう感じますか?

 

みんな会社から出れば、恋人がいたり妻がいたり、子供がいたり、両親がいたりするんです。
誰もが元気で生きていてくれる事を願っているんです。

その人を取り巻く環境にまで視野を広げて考えれば、やはりパワハラはおかしいと思うはずです。

 

労働基準監督署は他人事で済ます

労働基準署なんて夕方には閉まるし、働いている人はそうそう相談できませんよね。
だいたい夕方にしまるって「誰のための機関だよ!!」って思います。

 

なんとか時間を作って電話してみたところで僕のケースの場合、「何をパワハラとするかって個人の主観もはいりますのでねぇ~。」風な感じで全然真剣に考えてくれませんでした。

 

「よ!!!!さすがお役所仕事!!!」

 

「何言ってんだ馬鹿野郎!!俺はちゃんと働いて税金を払ってるんだぞ!!ちょっと位、労働者の意見を救い上げようとは思わねぇのか!!」ってのど元まででかかった言葉を呑み込み、絶望を感じてました。

 

どうせ言ったところで、7対3位の割合で会社よりなんでしょうけど。

 

労働問題を専門に扱っている弁護士に相談しましょう

やっぱり、法律に詳しい弁護士に相談し問題解決していくほうがいいと思います。

サイトをみるだけでも勉強になりますし。

 

たとえばこのサイトでは、現状明確な定義がないパワハラですが、パワハラを6類型に分類しそれぞれ説明しています。

労働問題弁護士ナビ

また、パワハラの裁判例などものっているので参考になると思います。

 

まとめ

僕は労働時間を短くしても、パワハラ及びそれによる自殺は大して改善されないと思います。

今、多くの会社は上司が部下を評価します。それを部下も上司を評価するといった様な、双方向の評価システムをつくるなどの動きが必要だと思います。

 

たとえば、上記の労働問題弁護士ナビの6類型に対して、自分の上司はどうだったかを部下が評価するのです。

 

上司の指導や部下への接し方を、目に見える形にするべきだと思います。

 

また、個人がパワハラに遭遇した場合、弁護士を雇い上司に対して裁判を起こすことが一般的になるといいなぁと思います。

 

そういった事が主流になれば、パワハラをしている上司やその予備軍までもが、部下への指導方法を自ら学ぶようになると思います。

 

訴えられたら面倒だし、社内評価も落ちるはずなのでパワハラは減ると思います。

 

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